2015年9月1日 10:29
シリコンバレー101 (628) Netflixの日本進出は、日本の作品のグローバル進出につながる
おそらくサービスを軌道に乗せるのに、われわれにとって最も時間のかかる市場になるだろう。しかし、ひとたびブランドを受け入れたら、日本の社会は深い関わりを持ち続けてくれるから、長期的にはわれわれにとって重要な市場の1つになり得る」
日本ではTV放送と競争するような有料のコンテンツ配信サービスが普及しにくいということを踏まえた発言である。特にNetflixのような欧米の企業が、人々の日常にまでサービスを浸透させるのは難しい。それでも東アジアへの進出の入り口として、急成長中で市場の大きい中国ではなく日本を優先した。それは、Netflixがグローバル戦略を遂行するうえで、日本が魅力のある市場であるからだ。
○連動するオリジナル・コンテンツとグローバル展開
筆者は、NetflixがDVDレンタルのオンラインサービスのスタートアップだった頃から同社のサービスを使い続けている。Netflixが米国で急成長できた理由は2つある。「それまでの常識を覆すサービス」を提供し、しかもそれが「消費者のためのサービスで、消費者にとって便利なサービス」になっていたためだ。
NetflixがDVDレンタルのオンラインサービスを始めた時、まさかDVDレンタル・チェーンがなくなるなんて誰も想像もできなかったが、Netflixが便利すぎて、あっという間に米国の街からDVDレンタルストアが姿を消してしまった。