2015年9月7日 15:03
日米の太陽観測衛星「ひので」と「IRIS」、太陽コロナ加熱問題で大発見 (1) 太陽における長年の謎「コロナ加熱問題」とはなにか
どちらの現象も直接観測することが難しいため、決着は付かないままだった。そんな中、2006年に太陽観測衛星「ひので」が打ち上げられたことで、大きな進展が生まれた。
○「ひので」が捉えた太陽コロナ中の磁場の動き
「ひので」は「ひのとり」、「ようこう」に続く、日本にとって3機目の太陽観測衛星として、2006年9月23日にM-Vロケット7号機で打ち上げられた。衛星には可視光とX線、そして極紫外線を観測できる、3種類の先進的な望遠鏡が搭載されており、太陽のコロナの活動や磁気活動を詳しく観測することができると期待された。
太陽コロナの波動加熱説を証明する場合、磁場そのものが肉眼では観測できないことが大きな課題だった。だが、2007年に「ひので」は、「プロミネンス」を利用し、コロナ中の磁場の動きを観測することに成功した。
プロミネンスは、望遠鏡などで見ると、まるで炎が噴き出しているように見えることから「紅炎」とも呼ばれるが、その実態では炎ではなく、100万℃の太陽コロナ中に浮かぶ1万℃ほどの"低温"のガスである。
その起源は光球の外側、またコロナの内側にある、「彩層」と呼ばれる部分にある濃いガスである。