新生『ルパン三世』青ジャケットの理由とは? アクションの極意は"重量感"&あのアニメからの影響も - 友永和秀総監督に訊く
でも今回は特に"大人向け"と意識はせず、『ルパン』のテイストを踏襲しながら、新しい味付けをして作り上げていきました。画面作りでも3Dを取り入れています。ただ、今のアニメはデジタルで、線が均一なものばっかりだから、絵のテイストでは昔のセルの感じのものを入れる試みも行っています。
――今回の新TVシリーズの制作にあたり、参考にされたシリーズはあるのですか?
僕がインパクトを受けたのはTV第1シリーズです。『ルパン』はなんといっても振り幅が広いんですよ。シリアスな部分があるかと思えば、ズッコケたり、ミスやったり、ドタバタ慌てたり。作戦に失敗すると非常に情けないポーズでウイスキーを飲んでいたりとかね。そういうたくさんのものが一人のルパンという人格の中に入っていて、そのシーンごとに違ったポーズや表情を見せるのが魅力なのだと思います。
●それは、『ルパン』の"命"ですから
――それだけ懐の深いキャラクターってなかなかいないですね。
『ルパン三世』のTV第1シリーズ(1971年~1972年)は、前後二つに分かれてましたよね。おおすみ(正秋)さんの時期と、途中から高畑(勲)さんと宮崎(駿)さんが入ってきた時期と。