2015年10月19日 17:36
スウェーデンで父親の育児休業取得率が高い理由 - 初来日の現役大臣が語る
スウェーデン大使館は10月16日、「子どもの権利と父親の積極的な育児参加を支えるスウェーデン社会の現状」をテーマに講演会を開催した。登壇したのはスウェーデンで子ども、高齢者、男女平等担当大臣を務めるオーサ・レグネール氏。父親の育児参加が盛んな"子育て先進国"はどのように作られ、どんな課題を抱えているのか。最新の状況が伝えられた講演の様子をご紹介する。
○父親が育児休業を取らないと損をする国
レグネール氏が第1に語ったのは、スウェーデンの家族政策が「仕事と家庭の両立を実現するための支援」を中心にすえているということだ。このうちの1つ、育児休業は両親があわせて480日間を取得できると法律で定められていて、子どもが満4歳になるまで利用することができるという。
さらに注目すべきは、父親の取得を促進させるための法整備も進んでいるということ。スウェーデンでは、480日間の休業のうち、60日間を「父親のみが取得できる休業」と定めた。
要するに、60日分は父親が取得しなければ権利が消滅してしまうのだ。結果として、父親(※1)の約半数が60日以上の育児休業を取得するという驚くべき実績を残している。
※1 2009年に生まれた子どもを育てている父親
○子どもの権利は男女平等を実現することで守られる
しかしそれでもレグネール氏は、父親の育休取得が不十分だと指摘する。