富士通はなぜPC事業を分社化するのか - メーカーに迫る「統合」と「分割」の選択肢
と語った。
田中社長が分社化の理由にあげたのが、「独立した事業とすることでの責任の明確化」と、「持続的な利益成長に向けてのマネジメント強化」。そして、PC事業には「甘えの構造」があったことを指摘。この構造からの脱却を目指すことになる。
○田中社長が指摘する「甘えの構造」とは
2014年度におけるPCの出荷実績は、前年の590万台から約2割減の470万台。2014年3月のWindows XPのサポート終了に伴う需要の反動により、販売台数が減少したものの、黒字を確保してみせた。だが、ここでは、米ドルに対するユーロ高が進んだことで、欧州拠点における調達部材のコスト低減効果が影響。実力値として評価するには厳しい内容だったともいえる。
さらに、今年度に入ってからも、販売低迷からは抜けきらず、期初には、2015年度の出荷計画として、前年並みの470万台を見込んでいたものの、今回、上期決算を発表したのに合わせて、50万台減の420万台へと下方修正。そして、2015年度上期は赤字に陥った。
ここ数年、PC事業は赤字と黒字を行ったり来たりしており、それが田中社長が指摘する「甘えの構造」の理由のひとつだといえる。