富士通はなぜPC事業を分社化するのか - メーカーに迫る「統合」と「分割」の選択肢
全世界に、18億台ものPCが存在し、これをアップグレードしたいというユーザーがいる」とコメント。米デルのチーフ・コマーシャル・オフィサーのマリウス・ハース氏は、「デルはPC事業の売却は一切考えていない。PC市場は縮小傾向にあるが、そのなかでデルはシェアを伸ばしている。PC事業を継続することは、CPUやメモリ、HDDの調達といった点でも規模の経済が働き、大きなメリットがあると考えている。PC事業を売却した企業がサーバー事業で成功した試しがない」と指摘してみせた。
米デルのマイケル・デル会長兼CEOも、「スケールこそが成長を牽引する」と強調する。
躍進しているレノボも、統合路線を追求しており、それにより、PC市場における世界トップシェアを獲得してみせた。日本では、NECパーソナルコンピュータを傘下におき、ThinkPadを同社米沢事業場で生産を開始するなど、統合によるメリットを生かしている。
○「分割」の道を歩むヒューレット・パッカード
これに対して、「分割」の道を歩んでいるのが、ヒューレット・パッカードだ。
同社は11月1日付で、エンタープライズ事業を中心とするHewlett Packard Enterpriseと、PCとプリンティング事業を展開するHP Incの2社へと分社化。