2015年11月11日 15:20
金星到着まであと26日 - 探査機「あかつき」記者会見を詳細レポート
は、5年前に損傷したスラスターを除けば、特に不具合は出ておらず、探査機は健全であることを確認しているという。
しかし、「あかつき」の設計寿命は4.5年という前提で造られているため、現在ではすでに超えており、いつどこかが故障してもおかしくはない状態にある。また、前述のように想定以上の太陽熱にさらされていたことで、探査機には疲労がたまっている。
「あかつき」のプロジェクト・マネージャーを務める中村さんは、「この5年間で衛星も疲労していますので、投入中にどこかが故障するといったことが起これば、計画を達成できない。その意味では、(5年前と比べて)難易度は高いと考えています」と語る。
中村さんによると、「もし何か起きるとすれば、VOI-R1の開始直後、噴射し始めのときが一番危険性が高い」という。4基の小さなスラスターは、機体の姿勢を変えるためのものなので、機体の重心を通っていない。そのため、もしこの4基の噴射の力がバラバラだったりすると、姿勢が崩れてしまう可能性がある。
ある程度は「あかつき」自身で立て直すこともできるが、それにも限界がある。立て直しが不可能となれば、「あかつき」は噴射を止めることになっている。