2015年11月11日 15:20
金星到着まであと26日 - 探査機「あかつき」記者会見を詳細レポート
この場合、VOI-R1ではほとんど噴射ができないことになるが、VOI-R1cで挽回することは可能だという。
また仮に、20分の間噴射ができたとしても、その間に探査機の姿勢が少しでもずれていれば、必要なだけの減速をすることができず、失敗に終わる可能性もないわけではない。
「あかつき」はすでに設計寿命を超えている上に、残っている燃料は今回の投入でほとんど使い切ってしまうため、もし今回も失敗すれば、再々挑戦の機会は無い。
探査機のエンジニアリングを担当する廣瀬さんは「さまざまなエンジニア的な準備を行ってきました。考え漏らしなどがないように、これまでも準備していますが、12月7日までよくよく不具合への対策を取っていけたらと思っています」と語る。
中村さんは「実は探査機にはそれほど壊れる不安は無い。それより地上の設備のほうが壊れるかも」とも語る。探査機の運用に使うコンピューターは旧式のものが多く、またプログラムなどもそれ専用に造られているため、代わりを用意するのが難しい。
実際にリハーサルでは、地上設備のトラブルが起きたという。
○観測機器も健全、士気も高い
一方、「あかつき」に搭載されている科学観測機器も同様に、不安は残る。