2015年11月11日 15:20
金星到着まであと26日 - 探査機「あかつき」記者会見を詳細レポート
もしVOI-R1が失敗したとすれば、それは上面側スラスターに原因である可能性が高いので、下面側を使ってVOI-R1cが行えるように、あらかじめ下面側を噴射する方向に向けておくための処置である。
なお、12月7日の時点では、「スラスターの噴射が実施できたかどうか」しかわからず、「軌道投入に成功したかどうか」は、その後数日かけて確認をしないとわからない。
JAXAでは、12月9日の18時から、軌道投入の成否に関する記者会見を行うとしている。
無事に軌道投入に成功すれば、まず観測機器の試験が行われ、試験的に撮影された金星の画像も、このころに公開できる見込みだとしている。その後、探査機の軌道を徐々に科学観測に適した軌道へと変え、2016年3月以降から、本格的な科学観測を開始する予定だという。
軌道の関係で、当初期待されていた観測の一部ができなくなったり、また一部のデータの質が落ちるといった点はあるものの、たとえば金星の自転よりもはるかに速く大気が動く「スーパー・ローテーション」という現象など、謎の部分が多い金星の大気の様子について、多くの発見が得られることが期待されている。
○難易度の高い挑戦
11月9日の記者会見では、現在「あかつき」