2015年11月13日 21:00
"鳥の目"視点映像、その驚きの撮影方法とは? まずは鳥をふ化させる
撮影した動物は6大陸40カ国で、100種類を超える。その撮影方法はそれぞれ動物の特徴に合わせたもので、例えば警戒心の強いフラミンゴには"隠密作戦"でドローンを投入。鳥類学者のクリスチャン・ムーレックは、ガンをふ化させてヒナ鳥の段階から信頼関係を築くという、下準備だけで途方も無い時間を費やしている。
クリスチャンの計画は、超軽量飛行機に乗ってヒナの渡りの様子を映像に収めること。生まれて最初の2年間で母親と認識する習性を利用し、クリスチャンは翼の代わりにパラソルを持ってヒナたちを従えたり、声を掛けながら飛行機に追従させたり、"刷り込み"によってヒナたちを教育していった。
カメラマンのニール・レティッグもガンの人工飼育をしている一人で、こちらはボートでの教育。行き過ぎた信頼関係でボートに近づき過ぎるなどの苦労がありながら、隊列が整うまで数カ月かけて仕込んでいく。そうした地道で根気のいる作業を経て、ニューヨーク・マンハッタンのビル群を背景に飛ばす日、1羽に超小型HDカメラを装着する。
また、マルコム・ベアードは数百時間を費やして実物大のハゲワシ模型を制作し、群れに"スパイ"として送り込む。これにはカメラが仕込まれており、尾羽も本物さながらに可動。