2015年11月19日 11:08
HMVが渋谷に復活、苦境の書籍・CDを売り込むローソンHMVエンタテイメントの戦略
○売り場の工夫
では、どうやって売るのか。その秘密のひとつは売り場にある。HMV&BOOKS TOKYOは、商材ごとに専用エリアを設ける従来のような売り方はしない。CD・DVD、書籍、グッズを関連性の高いものにまとめて売りだす。
たとえば、レシピ本。そのまわりには、調理グッズがあり、料理の最中に聴きたくなるようなCDが置かれる。そのため、本来は書籍が置かれる棚にワインが置かれ、ワイン関連の本があるといった具合だ。同社の盛谷尚也常務によると「いままでCDを買うような方が、書籍も買うというように、複合的に商品を買う傾向があった」とし、それを具現化したのが、HMV&BOOKS TOKYOとなる。
関連商材をまとめて売るために、売り場ごとにテーマがあるのも特徴だ。店内には「食」、小説やエッセイなどを揃え女性の生き方の秘訣が探れる「男と女」、着こなしやお避けの飲み方など大人向けの「大人の趣味」、新刊・新婦・話題作などの旬な最新情報を提供する「A Day in the Life」などがある。売り場ごとに専任の発注担当者がおり、担当者が売り場を作り込む。そうした、こだわりのある売り場に行くことで、思いがけない商品との出会いが生まれる。