25歳のあなたへ。これからの貯"金"講座 (28) どうなる? パリ同時テロの行方
かねてから、テロ分子が、この実質的抜け穴を悪用する可能性は危惧されてきた。今回の容疑者も、ギリシャ上陸後、数日でセルビアに入国が記録されていると現地では報道されている。
しかも、ひとたびEU内に入れば、シェンゲン協定により、域内の自由な移動ができる。とはいえ、一部の東欧諸国は難民危機の中で国境に鉄条網を敷くなどの自衛措置を講じ、今回は、フランスが国境を閉鎖した。これは、域内移動の自由というEUの根幹を揺らがす事態だ。
○人口の7%を占める、フランス国内のイスラム教徒
また、ベルギー・コネクションの深い関わりが明らかになったが、ベルギー当局とフランス当局の間の情報共有が充分ではなかったことも徐々に明らかになりつつある。EUにはFBIにあたる組織がないのだ。
当局の体制にも限界がある。
イスラム過激派とみられる人物が域内に5000人はいると見られているが、そのひとりひとりを警備することは出来ず、優先順位をつけて対応せざるを得ない。今回、既に発表されたフランス国籍の容疑者は、逮捕歴もあり、指紋がコンサート・ホールに残されていたことで特定された。いっぽう、フランス国内のイスラム教徒は、人口の7%を占める規模だが、刑務所の服役囚総数では70%にのぼるとされる。