2015年11月26日 12:56
横国大など、量子通信の長距離化を実現する中継技術を開発
これに加えて、量子メモリー間のエンタングルメントを生成し、さらにより遠方の量子メモリー同士にエンタングルメントを生成できるように、異なるメモリーから生じた独立な光子同子が完全に同一な性質を持つ必要がある。
同研究グループは、量子メモリー物質となる量子ドット中の電子スピンと量子相関した光を発生させ、その光を光ファイバー通信に適した通信波長へとノイズを極限まで低下させたまま変換することに成功。その結果、2kmというこれまでで最長の量子メモリーと光との相関を達成した。
また、波長変換用レーザーの波長調整により、長距離光ファイバー伝送後もほかの独立光源との高い干渉性を持たせることにも成功。波長変換時のノイズを従来より3桁以上抑え、干渉する2光源間の波長隔たりは10nm以上を達成した。
同研究は、固体量子メモリー物質と光ファイバーベースのシステムを用いているため、大スケール長距離量子通信の構成要素となる中継技術として有望だという。今後は、量子通信の実験的な限界距離である300kmを克服するため、長距離の量子通信実用化に向けて研究に取り組んでいくとしている。
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