25歳のあなたへ。これからの貯"金"講座 (29) テロ組織による「新兵リクルート」が加熱
従って、判定も困難で、狙い撃ちもかなり難しい状況だったようだ。
それでも、両国には譲れない事情があった。まずロシア側。現地近くの反政府勢力に多くの外国人傭兵が混じり、かなりの部分がコーカサス地方出身(特にチェチェン人)で占められている。チェチェン人といえば、ロシア支配に最後まで強硬に反抗したツワモノとして知られる。ロシア側から見れば、彼らをここで徹底的にたたき、かりにもロシア国内に異分子として侵入することがないように自衛措置を講じる必要があったのだろう。
一方、トルコ人の同胞であるトルキスタン人が同地域に居住。トルコ側は、「いとこ」達を守る必要があったわけだ。
結局、ロシア、トルコともに、今回の事件に限っては、ISの事は二の次。まずは、自国の利害優先で動いたといえる。思想的問題に民族問題、そして原油の利権などがからむことが、シリア情勢の読みを難しくしている。
金も中東では相変わらず人気が高い。「無国籍通貨」として購入・保有されている。米国に対する憎しみが強いので、米ドルは持ちたがらず、敵国の通貨扱いだ。ユーロも未だ不安をかかえるので、金が選択される。シリア国内の惨状を見るにつけ、中東の人たちが実物の金に強い愛着を持つ気持ちも分かるような気がする。