2021年12月17日 19:00
安田顕、草刈正雄から教わった心がけを胸に…現役で動き続けるために考えること
ですね(苦笑)。そこはどうしても感じました。でも自分にとってはすごく嬉しいことだったんです。やったことのない取り組みだったので、プレッシャーになるというよりは、どうお客さんに提示できるかという新しいチャレンジとして前向きに取り組ませていただきました。
——春男が、何か思うことがあっても、そのたびに飲み込んで、それが観客にはモノローグ(心の声)として伝わってくるわけですが、春男の生き方はどう映りましたか?
最初はいそうでいない人だと思ったんです。要するに、常に人のことを考えて、人のためにあるような人で、李監督にも「平々凡々に見えるけど、その実やっていることはスーパーマンですよね。自分を犠牲に、礎にして弱い人を救ってしまうような人だ」と言ったんです。そしたら監督は、「違う。
どこにでもいる人だ」と。これだけいろんな葛藤をして、心のなかでグルグルグルグル自分のことを考えて、その結果として、表に出るのが人のための行動になっている。「こういう人はごまんといる。スーパーマンなんかじゃない。みなさんそうだと僕は考えています」とおっしゃったんです。それを聞いて、確かにその通りだと思いました。そして、その心の中の葛藤がステキだと思ったんです。