2015年12月1日 11:00
謎だらけの深海生物「テヅルモヅル」に名前を付けたい! - 「分類学者」の研究室に潜入してみた
という意味の「ホモ・サピエンス」という名前になりますが、最近「ホモ・ナレディ」というヒト属の化石種が発見されて話題になりました。
○謎の深海生物「テヅルモヅル」とは
―分類学のなかでも、岡西先生は特に「テヅルモヅル」という深海生物に着目されているそうですが、いったいどんな生きものなのでしょうか。
名前のとおり、変な生きものです(笑)。見た目でいうともじゃもじゃしていますね。
―この「もじゃもじゃ」の正体は何ですか。
「腕」ですね。テヅルモヅルは分類学的にいうと「クモヒトデ網」というグループに入ります。ヒトデとは腕の骨格がぜんぜん違います。
クモヒトデは、腕が細くてくにゃくにゃしているのが特徴です。また、真ん中の「ディスク」と呼ばれる箇所が腕と明瞭に区別できますが、ヒトデは区別できません。ただし、この分け方だとクモヒトデっぽいヒトデもいるし、その逆もいます。
本質的な違いは「溝」にあります。腕の口側に「歩帯溝」という溝があればヒトデ、なければクモヒトデです。この構造は、彼らの動きにも関係してきます。ヒトデは溝から小さい足のような管足(かんそく)が伸びているため、腕をあまり動かさずに海底を移動しますが、クモヒトデは腕そのものを使って移動します。