2015年12月1日 11:00
謎だらけの深海生物「テヅルモヅル」に名前を付けたい! - 「分類学者」の研究室に潜入してみた
●生きものに名前を付ける 「分類学」
「テヅルモヅル」という生きものをご存知だろうか。知らないかたはまず、画像や動画を検索してみてほしい。思わず声をあげてしまいそうになるくらい奇妙な形をしていることがわかると思うが、この不思議な生きものに着目し、これらを「分類」しているという研究者がいる。日本で唯一のテヅルモヅル研究者、茨城大学 理学部 生物科学コースの岡西政典 助教の研究室にお邪魔して、存分にテヅルモヅルへの愛を語っていただいた。
○生きものに名前を付ける「分類学」
―岡西先生のご専門である「分類学」とはどういう学問なのでしょうか。
ひとことで言うと、「生物に名前を付けて人間が認知しやすいようにする」というものです。「生きものの名前なんて、すでにほとんど付いているのでは」と聞かれることもありますが、名前が付いている生きものは現在約200万種ほどです。生物は見つかっていない種をあわせると、少なく見積もっても1000万種はいると言われています。
現在のような形式で生きものに名前を付けるという試みが始まってから250年ほどになりますが、仮に1000万種の生きものがいるとすると、単純計算ですべての生きものに名前を付けるにはあと1000年掛かることになりますよね。