2015年12月1日 12:00
1990年代をピークに衰退してきた日本のスキー産業に再浮上はあるのか?
そういった方々がお子さまを連れてスキー場に訪れていただき、最新のスキー板を試していただく。それで、お子さまがスキーに興味を持っていただければ幸いですし、あわよくば“またスキーを始めてみるか”と、親御さんに当社の新品をご購入していただければ(笑)」。
全盛期の1991年、スキー用品市場は約4,300億円といわれたが、2012年にはその1/4の約1,100億円まで低下した。田口氏によるとサロモンブランドの売上高は全盛期から4割程度まで落ちたというが(数値は非公開)、市場全体の落ち込みからみればサロモンは健闘したといえる。これは、スキー板、ビンディング、ブーツ、ウェアすべての用品を1ブランドで統一できるナショナルメーカーの強みがあったからだという(井上氏、田口氏)。
○紋切り型のスキー場運営からの脱却
スキーを運営する側も手をこまねいていなかった。経営難に陥ったスキー場を傘下におさめ、グループとして戦略を建てる観光企業もスキー産業を変化させているという。その代表例が加森観光やマックアース、日本スキー場開発、星野リゾートなどだろう。
こうした企業はスキー場を傘下におさめると、グループ内での特徴を与えるという。