2015年12月1日 12:00
1990年代をピークに衰退してきた日本のスキー産業に再浮上はあるのか?
そんな彼らが北海道のパウダースノーに注目し、集まりだしたのがニセコ地区だ。以来、オーストラリア企業の投資を呼び込み、地域自治体も協力して“外国人街”を形成した。今ではニセコを訪れた日本人スキーヤーによると「自分たちが外国に来たみたい」と錯覚するほどだという。
○ブランドともいえる日本のパウダースノー
前出の井上氏は「日本のパウダースノーは“ジャパンパウダー(ジャパウ)”と親しまれており、海外でも“ブランド雪”と認識されています。日本海を北に横たえた地理環境は降雪に向き、毎晩でも雪が降りやすい。欧米のスキー場の場合は、ドカッと降ったあと、何日も降雪がなく新雪がなかなか楽しめない状況になりやすいので、“朝起きたら新雪”となりやすいジャパウが注目されるのです。事実、インバウンドの目はそうした降雪になりやすい長野県・白馬地区や野沢温泉地区にも向いています」と語る。
となれば、集客に悩むスキー場は、インバウンドの取り込みに向かえばよいのかというと、そうでもないという。
ウィンタースポーツを楽しむインバウンドには2種類に分けられる。一方は長期滞在でジャパンパウダーを楽しみたい欧米からのインバウンド。