2015年12月4日 10:00
地球最後の秘境・深海はどんな世界? - 超深海をめざす「しんかい12000」 (2) 超深海に「触れる」ような船を
揺れずに静かに海におろすことができます。現状はたとえばインド洋まで出かけて行ったのに、天候条件が悪くて「今日は潜れません」と潜航しないことがあります。安全第一とわかっていても研究者にしてみれば、せっかく得た機会だし、はるばるインド洋まで行って潜れなかったりすると、愚痴のひとつも言いたくなります。潜れる機会をいかに増やすかも効率化にとって大事です。
―ムーンプールを作れば天候にはほとんど左右されなくなりますか?
磯崎:船が留まれる限り大丈夫です。
―それはよいですね。着水するまでの揺れも解消されそうです。ところでロボットアームは研究者が操作できるようにするのですか?
磯崎:それは遠からずできると思います。
日本はロボットアームの技術が発達しています。現在ロボットアームはコパイロットが操作していますが、研究者が自分で操作できるようにしたい。研究者が船内からグローブを装着して動かすと、関節の動きが船外のアームに伝わって動かすことができる。さらに圧力センサーや温度センサーなどをつけることで、アームがふれた対象物の温度や触覚などを研究者が指先に感じられるようにする。そんなに難しくないと思っています。