MHI、X線天文衛星「ASTRO-H」を打ち上げるH-IIA 30号機を公開 - 乗り心地の改良と低コスト化に向けた飽くなき挑戦
これは最終的に投入する軌道が異なるためである。三菱重工の二村さんは「29号機はH-IIAにとって最長の飛行時間だったが、今回の30号機は最短の飛行時間で対照的」と語る。
機体の構成は、固体ロケット・ブースター(SRB-A)を2基装備するH-IIA 202型が使用される。
コア機体は飛島工場での機能試験を終了しており、報道公開が行われた時点で出荷準備中にあった。このあと12月4日に飛島工場から出荷され、7日には打ち上げが行われる種子島宇宙センターに搬入される予定となっている。なお、他社が製造しているSRB-Aと衛星フェアリングは、すでに種子島に搬入済みの状態にある。
打ち上げ時期は今年度内で調整中とのことで、具体的な日付はまだ決まっていないが、2016年2月ごろになると見られる。
○世界一乗り心地の良いロケットに向けた挑戦
ところで、H-IIAはつい先日の11月24日に29号機が打ち上げられたばかりである。
この29号機は、H-IIAにとって初となる、民間企業から受注した衛星を打ち上げる「商業打ち上げ」であったことや、打ち上げ能力を向上させる「高度化」という改良が初めて使用されたことから、多くの話題を呼んだ。