映画『ラスト・ナイツ』の苦戦に紀里谷和明監督「圧倒的じゃなかった」「本当に厳しい世界です」
きっと順風満帆で、やることがトントン拍子で運んでいったと思われていたんだと思う。でも、やっぱり死ぬほど努力しないと、先には行けない。僕はそれを才能とは言わない。能力だと思います。努力をする能力だったり、食い下がっていく能力、ダメと言われてもやるという能力です。それがない人は、人と似たようなものしか作っていない。誰だって頑張っているだろうけど、トップの人はもっと頑張っている。でも、世の中は、そういう正論を嫌うから、どうしようもない。
『君たちは大丈夫。夢は信じていれば叶いますよ』と言うしかないんです」
○劇場で苦戦しているのはなぜなのか
クライヴ・オーウェン、モーガン・フリーマン、アン・ソンギ、伊原剛志と、国際的な大スターたちを迎えた『ラスト・ナイツ』は、「忠臣蔵」をモチーフにした力強い人間ドラマとなった。本作のプロモーションで、紀里谷監督は全国110カ所を行脚して、名刺を4万枚配り、335媒体の取材を受けた。でも、封切られてみると、映画は興行ランキングで初登場12位という苦戦を強いられた。
紀里谷監督は、その理由について考え続けたと告白。「観てくださった方々の評価も高かったし、取材もとことん受けました。