2015年12月9日 08:00
SC15 - ムーアの法則以降のコンピューティングを語ったパネルディスカッション (1) Intelが語ったムーアの法則が終わった後のコンピューティング技術
計算の論理としてはチューリングマシンを数10年にわたって使っている。そしてコンピューティングの実装としてはノイマンアーキテクチャを使ってきている。
これに対して、今後のデバイスの候補とされるものとそれを使うコンピューティングについてまとめると次の表のようになる。
CNT(カーボンナノチューブ)やグラフェンのようなカーボン系の素子は、基本的な動作原理は、シリコンと同じMOSトランジスタで、熱イオン素子である。10-20年にわたって研究されてきたが、まだ、成熟していない。問題点としては、ソースドレインのコンタクトの形成、CNTの成長の方向などを揃えること、直径を一定に制御すること、メタリックなCNTを除去することなどが解決されていない。ということで、大量生産の見通しが立たない。
TFET(Tunnel FET)はMOSデバイスであるが、熱イオン素子ではなく、トンネル現象を使う。
10年以上にわたって研究されているが、まだ、成熟していない。性能が低く、当初、想定されたほど、サブスレッショルドの漏れ電流も小さくならない。
量子コンピューティング素子は、増幅作用が無い。このため、ノイズの中から信号を探すような動作になってしまう。