航空機とIT (73) 実機拝見(7)RQ-1プレデター
そして発足したのがGA-ASIで、以後は同社の製品として発展してきたわけだ。
ナット750は、米中央情報局 (CIA : Central Intelligence Agency ) がバルカン半島における戦乱の状況を空から把握する手段として目をつけて、導入した。UAVを使って上空から偵察することの有用性は立証できたが、1つ、重大な問題があった。
動画の撮影とリアルタイム送信が可能なUAVができても、動画を送信するにはそれなりに高い伝送能力を持つ無線通信が求められる。すると必然的に周波数帯が高くなり、周波数が高い電波は見通し線圏外の地上には届かない(直進性が強いので、頭上を飛び去ってしまう)。
そこでCIAがナット750を飛ばした時は、別途、通信中継機を用意する羽目になった。それでは必要な機体が2倍になるし、2機のUAVの位置関係を適切に調整しながら飛ばすという手間も加わってしまう。
○切り札は衛星通信
そこで、機首に衛星通信用のパラボラ・アンテナを搭載した改良型が作られた。
それが米軍で採用された時に、RQ-1プレデターという名前が付いた。
最近は、民航機に衛星通信用のアンテナと端末機を搭載して、機内からインターネット接続を行えるようにする事例が増えている。