2015年12月25日 09:30
インバウンド観光客を「虜」にする日本の“文化財ランドマーク”【後編】
姫路市は年間入城者数を180万人(200万人を超えることも想定)と見積もっていたようだが、これほどとは思わなかっただろう。
郭内に踏み込むと、外国人の多さが目立つ。ザッと見わたすと、およそ5割がインバウンド、いや、半数以上が外国人かもしれない。そして、その外国人のうちの半分が中国・韓国・台湾からの観光客、そして残り半分が欧米や東南アジアからの観光客という感覚だ。休憩所に立ち寄り周囲の会話に耳を傾けると、実に多様な言語が飛び交っているのがわかる。
●好立地で関西を訪れるインバンド観光客を取り込み
これほどインバウンドが押し寄せる背景には、姫路という立地のよさが挙げられる。京都・大阪という外国人が好む都市に近く、しかもそれらの都市から日本の“名物”ともいえる新幹線で移動できる。ツアー客のみならず、京都・大阪をベースに宿泊している外国人が観光するスポットとして、これほどの好例はほかに見当たらない。
姫路駅南口を出ると目抜き通りの先に天守閣が鎮座し、ランドマークとしての存在感を堂々と放っている。それを目指して歩を進めている多数の外国人をみれば、バスツアーではなく、鉄道を利用して姫路城にやってきたフリーのインバウンド観光客がいかに多いかがうかがえる。