2015年12月30日 13:00
KKKに命懸けで立ち向かった伝説の男とは?「VSスーパーマン」に全米が興奮
その頃、フロリダ州に住むステットソン・ケネディは裕福な家庭で何不自由なく暮らしていた。家具店を経営する父、南軍退役軍人の娘の母は地域の有力者と交流があり、KKKの賛同者でもあった。
当時の黒人は貧しい暮らしを強いられていて、人種差別も当たり前の時代。ケネディは人種隔離の無意味さや黒人の置かれた状況に疑問を抱き、人種差別的な両親や白人に違和感を覚えていた。その後に「KKKを倒す」と心に決めたのは、誰よりも優しかった黒人の乳母がKKKに暴行されたことがきっかけだった。
絶頂期のKKKはワシントンDCの目抜き通りを占拠し、終点に到着した会員を出発点に戻して行進させるなど参加人数を多く見せる偽装工作を実施。一時期は複数の州議会を支配下に置くまで政治的な影響力を持ち、KKKに賛同する州知事や連邦議員まで現れた。偏見に満ちた家族から離れてフロリダ大に入学したケネディはわずか1年で退学し、4年もの間、地域の民謡や民話などの収集活動に従事したことでKKKへの嫌悪はより一層強まった。
民間伝承の収集家として頭角を現したケネディは、すぐに活動のリーダーに昇格。その後、活動から離れてからはKKKの実態を暴く記事を多数執筆した。