2016年1月5日 11:30
乳幼児揺さぶられ症候群を防ぐ! - 「泣きやまない時は一旦離れて」と専門家
虐待死のニュースで時折指摘されることがある「乳幼児揺さぶられ症候群」。赤ちゃんが激しく揺さぶられることによって脳に障害をきたす疾患のことを指す。親たちはどのようなことがきっかけで、赤ちゃんを揺さぶってしまうのか。そしてどうしたら、被害を防ぐことができるのか。同疾患に詳しい国立成育医療研究センター研究所・社会医学研究部部長の藤原武男氏に聞いた。
○赤ちゃんが「泣きやまない」ことが引き金に
「乳幼児揺さぶられ症候群」は、赤ちゃんが激しく揺さぶられることによって脳の周りの血管や神経が引きちぎられ、さまざまな障害が起こる疾患のこと。言語障害や失明、最悪の場合には死に至ることもある。
最近では、児童虐待の死亡事故を報じるニュースで耳にするケースも多くなっている。
これらの事態を重く受け止め、厚生労働省は2015年から死亡事故事例の検証結果(子ども虐待による死亡事例等の検証結果等について: 第11次報告)の調査項目に「乳幼児揺さぶられ症候群の有無」を追加した。
検証結果によれば、平成25年4月1日から平成26年3月31日までに発生した児童虐待による死亡事例(心中以外)のうち、最も多かった直接死因は「頭部外傷」。