2016年の宇宙開発、ここに注目 - 上半期編: 欧露の火星探査機、巨大ロケット、ロシア新宇宙基地と新宇宙船…
そして何より、この打ち上げでは「ファルコン9」ロケットの第1段機体の着陸試験が実施される。ファルコン9は昨年12月にも着陸に成功しており、今回も着陸できれば2機連続での成功となる。
打ち上げ場所は前回とは異なり、太平洋に面したカリフォーニア州のヴァンデンバーグ空軍基地から行われる。ヴァンデンバーグにも着陸できる施設はあるものの、陸上に降りるのか、それとも海上に浮かべた船の上に降りるのかはまだ不明である。
○2月7日: 「ドラゴン」補給船運用8号機(SpX-8)打ち上げ、膨張式のISSモジュール「BEAM」を搭載
この打ち上げでもファルコン9が使われるため、着陸試験を実施するのかどうか、そして成功するのかどうかが注目されるが、同時に積荷である「ドラゴン」補給船運用8号機に搭載される、「BEAM」と名付けられた膨張式のモジュールにも要注目である。
BEAMはBigelow Expandable Activity Moduleの略で、ビゲロゥ・エアロスペース社という会社が開発した、空気で膨らませる形式の国際宇宙ステーション(ISS)モジュールである。打ち上げ時には折りたたんでおき、宇宙で空気を入れ、風船のように膨らませるタイプのモジュールであれば、ロケットの容積にとらわれず、広い空間をもつモジュールを打ち上げることが簡単になる。