2016年の宇宙開発、ここに注目 - 上半期編: 欧露の火星探査機、巨大ロケット、ロシア新宇宙基地と新宇宙船…
ヴァストーチュヌィ宇宙基地が完成すれば、ロシアはロケット打ち上げにおける自律性を確保することができる。
しかし、同基地の建設をめぐっては建設会社の汚職や、労働者への賃金未払い、設計ミスなどが相次いで報告されており、先行きは不透明な情勢にある。
○4月ごろ: 中国の新型ロケット「長征七号」初打ち上げ、海南島の新宇宙センターから
中国の新しい中型ロケット「長征七号」が、同様に新しく建設された文昌衛星発射センターから打ち上げられる。
中国は昨年、新型の小型ロケット「長征六号」の打ち上げに成功したが、七号はその技術を使い、中型ロケットにしたもの。運用が始まれば、現在使われている「長征二号」や「長征三号」を代替し、低軌道衛星や静止衛星、有人宇宙船の打ち上げなどに使われることになる。
文昌衛星発射センターは、中国のハワイとも呼ばれる海南島に新たに建設されたロケット発射場で、赤道に近く、静止衛星の打ち上げには適している。また打ち上げ方向はすべて海に面しているため、分離した機体やフェアリングなどを海上に安全に投棄することが可能となる。
○5月31日: 改良型「アンタリーズ」ロケットの初打ち上げ
「アンタリーズ」