くらし情報『ネットワークベンダーから見たセキュリティの問題点 (2) DDoS攻撃への防御を意識したSSLのデプロイ方法とは?』

2016年1月15日 11:00

ネットワークベンダーから見たセキュリティの問題点 (2) DDoS攻撃への防御を意識したSSLのデプロイ方法とは?

また、このサイトのSLA(サービスレベル契約)では「SSL接続はすべてタイムアウトするまで維持されなければならない」と規定されていました。

○このサイトの何が問題だったのか

このような構成のサイトは、SSLを使ったDDoS攻撃を行う攻撃者にとって、格好の標的だと言えます。

前述のDDoS攻撃もSSLセッションを利用したものであり、攻撃者はペイロード(リクエストデータの本体)を含まない"空のSSLセッション"を大量に送りつけたのです。これらのトラフィックはそのままアプリケーション・サーバまで届き、タイムアウトするまでSSLセッションが維持されていました。この攻撃は、「確立されたSSLセッション内で起きている」ということを除けば、古典的なSYNフラッド攻撃と同様の攻撃です。

実はこのWebサイトのアプリケーション・サーバは、膨大な負荷にも対応できるだけのチューニングが行われており、実際にダウンしたのはサーバではありませんでした。空のSSLセッションは数百万回にも達しましたが、最初に音を上げたのは、この接続を前段で受けていたロードバランサーだったのです。このロードバランサーは同時接続の上限に達するとともに激しい障害を起こし、トラフィック処理を停止。

関連記事
新着くらしまとめ
もっと見る
記事配信社一覧
facebook
Facebook
Instagram
Instagram
X
X
YouTube
YouTube
上へ戻る
エキサイトのおすすめサービス

Copyright © 1997-2024 Excite Japan Co., LTD. All Rights Reserved.