CES 2016と「4K録画禁止騒動」から見る、映像ビジネスの行方 (後編) - 西田宗千佳の家電ニュース「四景八景」
●降ってわいた「4K録画禁止騒動」の背景
今年もラスベガスに飛び、世界最大の家電ショーであるCESを取材してきた。その間、日本国内では「4K録画禁止」に関する騒動がネットを中心に巻き起こっていた。今回は、その背景について解説していきたい。
○降ってわいた「4K録画禁止騒動」の背景
一方、日本のニーズを見ると、4Kのディスクメディアには大切なものが欠けている。「録画」とその保存だ。現在のUHD BDはソフト供給用の「ROMメディア」だけであり、録画保存用については、これから進むところである。まずはハードディスク録画、ということになるだろう。
だが、ここにきて家電メーカーの頭を悩ませる問題が出てきた。
テレビ局が急に「4Kでは録画を許さない運用も視野に入れたい」と言い出し始めたのだ。
日本の放送と録画における運用ルールは、家電メーカーとテレビ局などが集まって作った「次世代放送推進フォーラム (通称NexTV-F)」で決めることになっているのだが、この検討の場で、民間放送キー局5社より、「4K録画禁止」もできる仕組みを取り込むよう、強い申し入れがあったという。
昨年12月25日に発行された「高度広帯域衛星デジタル放送運用規定」