2016年1月18日 10:07
航空機の技術とメカニズムの裏側 (1) 航空機の構造(1)揺れたり、反ったり、空間が空いたり
経済性を重視する最近の民航機は、抵抗軽減のためにアスペクト比を以前よりも大きくとる傾向が強まってきており、その関係もあって、遠目にも「ああ、787だ」とわかるぐらいに主翼が反り返っている。
もちろん、こういう変形が発生することは設計した時点で織り込み済みであり、飛行する度に主翼が反り返ったり元に戻ったりという繰り返し荷重を受けて、それでも壊れないことを疲労試験機による地上試験で確認している。
○主翼に穴が開く
といっても、爆発して穴が開くとかいう話ではなくて。
旅客機に乗って主翼より後方の窓側席に座っていると、主翼の様子を見ることができる。巡航中は普通の翼に見えるが、離着陸時にはあれこれと動翼が開いたり、せり出したりする様子がわかる。よくよく見てみると、上面と下面が素通しになっていることがあるので、知らないとビックリするかもしれない。
揚力を稼ぐため、離着陸時にはフラップ(下げ翼)というものを降ろす。それによって、主翼の面積を広げる効果とか、下向きの気流を発生させる効果とかを発揮させることで、低速時でも十分な揚力を得られるようにしている。
こうしないと離着陸時の速度が高くなってしまい、操縦が難しくなるなどのネガが出る。