エアアジア・ジャパン就航への課題とは - CEO交代の裏で起きていたこと
した。「航空の専門家を入れ経営体制を強化」としたエアアジア・ジャパンではあるが、当局の技術・運航部門との今後の許認可面の折衝がスムーズに進むか、まだ課題は多いように思われる。
●就航までに必要な70億円の調達に親会社のエアアジアも課題あり
○事業計画と資金に問題は?
現在エアアジア・ジャパンは中部空港(セントレア)を拠点に、札幌/仙台/台北にA320を2機使用して運航するとしている。国内2路線は大手のほか、エアドゥやアイベックスエアラインズとも競合するし、台北は日本のLCC2社(ピーチ、バニラエア)が成田から就航する激戦地である。格安運賃で新規需要を創出するというLCC方式は当初は機能するだろうが、既存エアラインの半額以下、時に破格のバーゲン運賃を提供してまずは消費者の注目を得て知名度を上げていく手法を当初は取らざるをえず、採算は二の次となろう。
この場合、問題は資金が持つかだ。エアアジア・ジャパン設立時の資本金は20億円だが、日本における新規航空会社設立の歴史を見ても、就航までに最低60億~70億円を集めることが必要だ。それは既存株主の増資で行うしかないが、親会社であるエアアジアの経営状況が良くない。