くらし情報『インバウンド観光客を魅了できるか!? 日本独自の食文化「駅弁」復活への課題【前編】』

2016年1月26日 09:30

インバウンド観光客を魅了できるか!? 日本独自の食文化「駅弁」復活への課題【前編】

と解説した。日本で生産される「ジャポニカ米」は冷えてもおいしく、しかも粘りがあるので握りやすい。この特性を生かした携帯食として「にぎりめし」が誕生したのは約1300年前のこと。以来、日本人は昼食を携えて出かけることに抵抗がなくなり、明治以降、急速に敷設された鉄道の発展と結びつき、駅弁という発想に結実した。

●特産品が各地に存在する日本だからこそ駅弁は多様化
加えて奥村氏は、日本列島の地理的な特徴が、駅弁の多様性につながったとする。日本列島には北から親潮が、南から黒潮が流れてきており列島周辺で混ざり合う。この独特の海流によりさまざまな海産物が各地で水揚げされる。また、陸上においても山地や平野、森林、河川、湖沼が複雑な配置になっており、各地域で独特の産物が生じやすい。
さらにアジアモンスーン圏に覆われた日本は四季がハッキリしており、春夏秋冬で収穫できる産物が異なってくる。つまり日本列島のあらゆる土地に、いわゆる“特産品”があり、それを使った郷土料理が生まれ、そして駅弁に発展していくのである。

○駅弁が日本に発祥した3つの要素

講演で奥村氏は「500種類以上の駅弁がある」としたが、実数はもっと多いだろう。

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