2016年1月29日 14:57
パーキンソン病が進行するとグルタミン酸受容体の発現量が変化 - 放医研
つまり、mGluR1の発現量変化は、パーキンソン病における行動障害とドーパミン神経の密度変化に対して相関関係があることを示している。
パーキンソン病ラットでは、野生型ラットに比べて運動障害が現れる前にmGluR1の発現量が高かったことから、同研究グループは、ドーパミン神経の変性が起こる前にグルタミン酸に由来する過剰な神経興奮が起こり、このことがドーパミン神経に障害を与えたのではないかと推測している。
今回の結果は、異常タンパクの蓄積により引き起こされるさまざまな脳神経疾患の病態背景の解明においても重要な知見と考えられ、パーキンソン病をはじめとする異常タンパクの蓄積が引き起こす神経障害のメカニズムの解明に役立つことが期待される。また、PETイメージングによるmGluR1発現量の測定は、異常タンパクの蓄積が引き起こす脳神経疾患において、疾患の進行度を客観的に判定することができる有用なバイオマーカーとなることが期待される。
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