猫は体が小さい割にはビタミンB1の必要量が高く、チアミナーゼを含む魚介類を生で食べるとビタミンB1欠乏症になりやすくなります。
ビタミンB1が不足すると人間では脚気(かっけ)を起こすことが有名ですが猫も同じように重症になると歩けなくなります。そのため「猫にイカを食べさせると腰を抜かす」という通説が残っています。
その他には食欲不振、嘔吐などの症状があります。こちらもペットフードの普及に伴い、非常に稀な病気になりましたが偏食をしている猫で発症する可能性があります。
○アワビ、サザエ
アワビやサザエの肝と呼ばれる黒い部分(中腸腺)には、海藻に含まれるクロロフィルが代謝されたフェオフォルバイドと呼ばれる物質が溜まっています。
クロロフィルは、植物では光合成の時に光エネルギーを吸収する大事な役割がありますが、動物の体内に入った場合はフェオフォルバイドに分解され、この物質が光を浴びると活性酸素を作り、炎症を起こし腫れやかゆみの原因になります。これを光線過敏症といいます。
特に耳など太陽を浴びやすく、皮膚が薄い部分に症状が強く出ます。逸話的に「猫がアワビを食べると耳が落ちる」というのは皮膚炎により耳がボロボロになってしまうことを示しています。