2016年2月1日 10:00
DACが語る、2016年アドテクのキーワードは「多様化するデータの統合と活用」
●アドブロックは“話題先行”、しかし対応を考える必要はある
―― 一方で、広告を配信する技術では新しいトピックスはありますか? 広告配信では前述のターゲティング技術はもちろん、効率やコストの最適化などが求められると思いますが。
永松氏:取引の仕組みについては、プライベートマーケットプレイスのようなものが拡大するのではないかと思います。私たちでも、完全オープンな広告オークションでの取引に抵抗のある企業に対して、招待制で厳選された広告主、媒体社だけが参加することができる価値の高い広告在庫のマーケットプレイスを用意しています。
加えて、配信技術については、昨年から注目されてきているアドブロックに対して技術的にどう対処していくかは、少しずつ出てきているところです。例えば、「アドステッチング」という従来のコンテンツ=コンテンツサーバー、広告=アドサーバーという区別を見直して、コンテンツと広告を一体化して同じサーバーから配信するといった考え方や、「ファーストパーティー・アドサーヴィング」といって媒体社もしくは広告主のドメインで広告を配信するといった考え方が生まれています。アドブロックについては日本では話題が先行しているものの、実際のところはまだまだこれからなので早急に対応する必要はありませんが、市場の動向次第では2016年の大きなテーマになる可能性はあるので、今後対応を考えていかなければならないと感じています。