くらし情報『海運業界に異常事態!? 大手企業が巨額の特損を計上した背景とは』

2016年2月3日 13:04

海運業界に異常事態!? 大手企業が巨額の特損を計上した背景とは

豪州やブラジルなどから中国に向かう鉄鉱石は例年、10月から12月にかけて大量に輸送される傾向にあった。ところが昨年は、想定通りに鉄鉱石の出荷量が伸びなかった。粗鋼生産量で世界一の中国に景気減速の不安がある以上、積荷のほとんどを鉄鉱石と原料炭が占めるケープサイズの動きが鈍るのは明らかだ。

日本鉄鋼連盟の公表資料「世界銑鉄生産の推移」によると、2006年に約4.13億トンだった中国の粗鋼生産量は増加を続けたものの、2013年の約7.48億トンをピークに減少に転じ、2015年の実績は約6.91億トンに留まった。海運会社は中国向け鉄鉱石・原料炭が増え続けるとみてケープサイズを発注していたため、建造に2~3年を要するという船が完成する頃には、荷物量(需要)に対して船の輸送能力(供給)が余るという事態が発生した。造ったはいいが稼動していないケープサイズも実際に存在するというから、「船余り」はよほど深刻なレベルまで進行しているようだ。

○船舶の処理費用が特別損失に
三大海運会社は保有船舶の合理化を進め、船舶需給の適正化を図っている。商船三井は船舶の処分費用などとして、2015年度の第4四半期に最大1,800億円の特別損失を計上する。

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