ANAがA380導入に踏み切ったわけ - ANAとスカイマークとの協業関係の現状
筆者が読む"ホノルルを選ぶ本音の理由"はと言えば、「座席を埋めるのに必要な需要規模が存在する路線で、今回の供給増で発生する価格低下の影響を受けるのは最大シェアのJAL」「座席を埋めるには自社ツール・チャネルでは限界があるため旅行会社の活用が必要になり、WEB徹底志向方針で流れが変わった旅行会社との関係構築につながる」「特典マイル航空券の活用場所になる」といったところだろうか。
○進まないスカイマークとの協業
そうまでして手に入れたスカイマークの支援権ではあるが、2015年9月末のANA出資後の具体的な協業は進んでいない。その最たるものがコードシェアだ。
2015年の再建開始段階では、両社とも「2016年冬ダイヤをめどに開始」としていたが、ここにきてスカイマークの佐山展生会長は、2016年冬からのコードシェアに否定的な見解を述べている。その理由として挙げているのは、「柔軟な運航事業に支障をきたす」や「事業の自由度がなくなり、独立が維持できなくなる」というものだが、具体的にどんな悪影響が発生すると懸念しているのか、筆者には疑問を感じるところがある。
連載したスターフフライヤーの創業記「航空会社のつくりかた」