くらし情報『H-IIAロケット30号機現地取材 - 氷結層の制約を見直し、打ち上げ延期が少なくなるかも?』

2016年2月10日 21:06

H-IIAロケット30号機現地取材 - 氷結層の制約を見直し、打ち上げ延期が少なくなるかも?

従来、衛星の分離には火工品が使われていたが、ボルトを切断するときの衝撃が大きく、その衝撃に耐えられるように衛星を開発する必要があった。新方式では、これをラッチ機構に変更。ゆっくり解放されるため、衝撃が小さい。

今回は初の軌道上実証ということで、ASTRO-Hの分離には使用しない。ASTRO-Hを従来型の装置で分離した後で、新型の装置によるダミー衛星の分離試験を行い、衝撃を計測する計画だ。なおダミー衛星は実際に分離を行うものの、機械的な仕組みで飛び出さないように設計されており、デブリが増えることは無い。

低衝撃型衛星分離部の開発は、「基幹ロケット高度化」プロジェクトの一環として実施されているもの。同プロジェクトの中の、「静止衛星打ち上げ対応能力の向上」と「地上設備の簡素化」の2項目は29号機ですでに実施済みであり、今回の分離試験で、実機によるデータ取得が全て完了することになる。


搭載するASTRO-Hに関しては、プレス公開時の記事を参照して欲しい。JAXAの高橋忠幸・ASTRO-Hプロジェクトマネージャは、ASTRO-Hを「X線天文学の旗艦ミッション」と表現。現在の心境を「ASTRO-Hがもたらす新しいデータは、世界中の科学者が待ち望んでいる。彼らの顔を思い浮かべながら、打ち上げと、それから始まる運用に集中したい」と述べた。

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