くらし情報『航空機の技術とメカニズムの裏側 (6) 航空機の構造(6)航空機の機体構造材[1]』

2016年2月22日 10:00

航空機の技術とメカニズムの裏側 (6) 航空機の構造(6)航空機の機体構造材[1]

裏を返せば、どの方向に強度を持たせたいかという希望に合わせて繊維の配列を工夫することで、「ある方向に対しては強いが、別の方向に対しては変形しやすい」なんていうものも造ることが可能だ。

ただ、この方法は製作に手間がかかる上に、電気代もかさむ。もちろん、コストや手間よりも強度が優先されるところではドライカーボンを使うが、要求仕様によっては量産性と経済性を重視して、別の方法を使うことがある。

例えば、樹脂含侵成型法(RTM : Resin Transfer Molding)がある。これはオス型とメス型の間に炭素繊維の織物を敷き込み、そこに樹脂を注入して含侵・成型するものだ。樹脂が固まったら型から外せばよい。樹脂を注入する際に、反対側で気圧を下げることで樹脂の回りを良くするのが、真空樹脂含侵成型法(VaRTM : Vacuum Assisted Resin Transfer Molding)である。

いくらCFRPが軽くて高強度だといっても、プラモデルみたいに一枚物の板で所要の強度を持たせるわけにはいかず、ちゃんと骨組と外板を組み合わせている。
JAXAの施設一般公開で展示されていた、CFRP製機体構造材のサンプルを御覧いただこう。

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