2016年2月24日 11:00
ライフサイエンス分野に特化した画像解析で研究者をサポート - 着実に成長する東大発ベンチャー エルピクセル
ライフサイエンスの分野において、画像処理技術の需要にサービスの供給が追いついていないのは、日本だけでなく海外でも同様だ。島原氏は「世界中に教育活動を行っていきたい」と、画像処理に関する教育活動についても積極的な姿勢を示している。
現在、同社の主力事業は、研究機関・企業との共同研究やシステムの受託開発だというが、今年の夏には画像解析のデファクトスタンダードとなるような、クラウド上で利用できるソフトウェアをリリースする予定だ。ライフサイエンスにおける画像解析は案件ごとに特化しており、ソフトウェアとして一般化することは難しいという印象だが、島原氏は「最初からすべてを解決しようとは思っていません。細胞個数のカウントの自動化、細胞面積の計測、動きのトラッキングといったニーズの大きいところから、まずは広げていきたいと思っています」と説明している。
○大学発ベンチャー、成功の秘訣は?
大学発ベンチャーのなかでも東京大学発の企業は日本で一番多く、現在約200社程度が存在している。しかしながら、一時期のベンチャーブームが過ぎ去り、ピーク時には年度あたり約250社まで増えた大学発ベンチャーの新設数は、2013年度時点で52社にまで減少。