2016年3月1日 12:00
兼業まんがクリエイター・カレー沢薫の日常と退廃 (52) カレー沢薫、「ゆとり」「さとり」を語る
私は毎日通勤のために車を運転するが、横断歩道のない道路を平気で横断してくる奴は大体老人だ。「六十にして耳順う」どころか、山道の狸や鹿と同レベルである。
警察庁の調べによると、年齢が上になるにつれ「自分は事故に遭わない」と思っている率が上がるようだ。私の目の前に出没する老人たちも、おそらく「車のほうがワシに合わせて止まる」とか、頭だけでなく、足の方も鹿並なので余裕で渡れると思っているのだろう、しかし車を運転する立場からすると、横断歩道じゃないところで人が出てくると2回に1回ぐらいは「もういいか、ひいても」と思うものなので、「横断歩道じゃないところを渡ると、割とひかれる」と思った方がいい。
このように、なってない奴はいくつになってもなってない。なってない奴がたまたま若かった場合、「なってないのは若いからだ」とされてしまうだけだ。
実を言うと私自身、若者と接していて「これだから若い者」はと思ったことはない。部屋から出ないので若者と接する機会がほぼないせいもあるが、自分が人として成熟してなさすぎるため、逆に「若いのにしっかりしている」と思う方が断然多い。
最近は4才の姪っ子に対しそう思った。