2016年3月7日 09:32
「ファルコン9」ロケット、打ち上げに成功 - 第1段の回収は予告どおり失敗
設計寿命は15年が予定されている。
○あらかじめ予想された失敗
今回の打ち上げでは、前回に続き、分離した第1段機体を海上の船に降ろし、回収する試験が行われた。しかし、スペースXのイーロン・マスクCEOによると「ハード・ランディング(硬着陸)」となり、成功しなかったという。
しかし同社は、あらかじめ「成功する見込みはない」と明らかにしていた。今回は搭載していた衛星の質量が大きく重く、ロケットの能力を限界まで使って打ち上げる必要があったため、第1段を回収するのに必要なだけの十分な余裕がなかったためである。
ファルコン9が陸上、もしくは船上に着地するためには、水平方向の速度を落とすため(あるいは発射場まで戻るようにUターンするため)の「ブーストバック・バーン」、大気圏再突入時の速度を抑えるための「リエントリー・バーン」、最終的に着陸するための「ランディング・バーン」の、大きく3回のエンジン噴射を行う。
しかし今回は推進剤の余裕がないため、このうちブーストバック・バーンが実施されなかった。また回収用の船も、通常であれば発射場から約300km離れた場所に待機するが、ブーストバック・バーンを行わないことで通常よりも遠くまで第1段が飛ぶため、今回は2倍の距離となる、約600km離れた場所に待機していた。