くらし情報『理研など、細胞内の分子混雑状態により色が変わる蛍光タンパク質を開発』

2016年3月10日 10:51

理研など、細胞内の分子混雑状態により色が変わる蛍光タンパク質を開発

そこで今回、計測技術の基盤として、生きた細胞中での計測が可能になる蛍光タンパク質を選んだ。

蛍光タンパク質は円柱型で、蛍光を発する発光団はその円柱構造の内部にある。同円柱構造は、発光団を水分子との相互作用から守っているため、発光団の蛍光は溶液中の疎水性には依存しない。つまり、蛍光が失われない程度に発光団と水分子を相互作用させることができれば、溶液中の疎水性によって発光の量が変わる蛍光タンパク質になる。

蛍光タンパク質の遺伝子改変には通常、アミノ酸を置換する方法が用いられるが、今回、あえて余計なアミノ酸を挿入することで、円柱構造の一部が少しだけ壊れ、数個の水分子だけが発光団に相互作用するような構造を生成。グリシンをひとつだけ蛍光タンパク質に挿入したところ、溶液の疎水性によって蛍光強度が変わる蛍光タンパク質になることがわかった。さらに、蛍光共鳴エネルギー移動法を適応することで、分子混雑が上昇すると、黄色から青色に色が変わる蛍光タンパク質「GimRET(Glycine inserted mutant fRET sensor)」を得た。GimRETから発せられる蛍光の色を解析することで、分子の混雑状態が評価できると同時に、光学顕微鏡を用いることでGimRETの細胞内での拡散速度が計測可能となる。

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