くらし情報『副作用少なく1度の治療で済む、日本発の次世代がん治療技術「BNCT」 - 2016年度末の治験開始を目指す国立がん研』

副作用少なく1度の治療で済む、日本発の次世代がん治療技術「BNCT」 - 2016年度末の治験開始を目指す国立がん研

したがって、がん細胞に選択的、かつ十分量が集積するホウ素化合物があれば、これを患者へ投与した後に中性子を照射することで、がん細胞だけを破壊することが可能になるというわけだ。重粒子線治療を含む従来の放射線治療に比べ、BNCTは超選択的な放射線治療法であるといえる。

ホウ素化合物として現在臨床で用いることが可能なのは10B-BPAだが、質量数18のフッ素18Fで標識された10B-BPAの類似物質となる18FBPAという薬剤を用い、PET(陽電子放出断層撮影法:Positron Emission Tomography)検査をあらかじめ行うことで、腫瘍に蓄積するホウ素量を定量的に知ることができ、BNCTによる効果をある程度予測することができるという。国立がん研究センター 伊丹氏は、「18FBPAが集積しない症例に対して、むやみにBNCTを行うことにあまり意味はない。事前予測を含め、BNCTはシステムとして捉えていく必要がある」と説明している。○国立がん研の最新BNCT装置とは

日本でBNCTが行われるようになったのは1968年。当時、熱中性子・熱外中性子の供給源としては原子炉が唯一のものだった。

関連記事
新着くらしまとめ
もっと見る
記事配信社一覧
facebook
Facebook
Instagram
Instagram
X
X
YouTube
YouTube
上へ戻る
エキサイトのおすすめサービス

Copyright © 1997-2024 Excite Japan Co., LTD. All Rights Reserved.