くらし情報『副作用少なく1度の治療で済む、日本発の次世代がん治療技術「BNCT」 - 2016年度末の治験開始を目指す国立がん研』

副作用少なく1度の治療で済む、日本発の次世代がん治療技術「BNCT」 - 2016年度末の治験開始を目指す国立がん研

しかし、原子炉はもともと医療施設ではなく、患者が利用するには不便な場所にあるうえ、核燃料の安全性といったところにも課題を抱えており、原子炉を用いたBNCTは医療として普及の限界があると考えられていた。

一方、加速器を中性子源とするBNCTは、核燃料を使用しないため安全性が高く、電源を切れば放射線は射出されない。また小型化が可能ということもあり、病院設置型の加速器を導入すれば、「医療として普及する可能性がある。これから検証していく必要はあるが、少なくともこれまでその俎上にすら載らなかったものが、これでようやく載ったといえる」と伊丹氏はその可能性について語る。

加速器にもその形状やターゲットによってさまざまなタイプがあるが、BNCT加速器の大まかな仕組みはこうだ。加速器から引き出された陽子ビームを、リチウムLiやベリリウムBeなどのターゲットに照射して中性子を発生させる。この高いエネルギーを持つ中性子を、治療に最適なエネルギーとなる熱・熱外領域まで減速させ、がん細胞に照射する。

たとえば、福島県・南東北病院のBNCT加速器はサイクロトロン型で、陽子を30MeVまで加速させるもので、ターゲットにはBeを利用している。

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