くらし情報『副作用少なく1度の治療で済む、日本発の次世代がん治療技術「BNCT」 - 2016年度末の治験開始を目指す国立がん研』

副作用少なく1度の治療で済む、日本発の次世代がん治療技術「BNCT」 - 2016年度末の治験開始を目指す国立がん研

また、小さいシステムなので上から吊るすことができ、上から下に向かって中性子を照射できるというのも国立がん研のBNCTシステムの特徴だ。同中央病院診療棟の地下1階にある直線加速器は長さ4m程度のコンパクトな大きさとなっており、陽子を90度曲げて地下2階のBNCT照射室でターゲットと反応させる形となっている。

○世界をリードする日本のBNCT用治療装置開発

国立がん研は、2016年度末の治験開始を目指しているというが、その対象は現在協議中だ。PETでホウ素の集積を確認することができて、なおかつ体表面から6.5cm以内となる腫瘍が望ましく、悪性黒色腫などが対象となる可能性が高いというが、一番のポイントとなるのはより適切にホウ素が集積するかどうかだ。伊丹氏は、「加速器ももちろん重要だが、ホウ素集積の正確な事前判断や、DDSなどを用いた腫瘍にだけ集積するより良いホウ素化合物の追求なども含め、システム全体として取り組んでいかなければならない」としている。

国立がん研のBNCTシステムについては、欧州諸国からの視察もあるという。日本はBNCT用治療装置の開発において長年にわたって世界をリードしてきており、現在は、国立がん研だけでなく、京都大学、南東北病院、筑波大学など、日本各地でそれぞれが切磋琢磨しながら開発を進めているという状況だ。今後の日本発の最新がん治療技術の発展を期待したい。

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