くらし情報『兼業まんがクリエイター・カレー沢薫の日常と退廃 (54) 地方在住のオタクと「ガンジス川のまんじゅう」』

2016年3月15日 12:00

兼業まんがクリエイター・カレー沢薫の日常と退廃 (54) 地方在住のオタクと「ガンジス川のまんじゅう」

悔しいので「キンプリってキングプリムゾンの略か」と100億人ぐらいが考えつきそうなことを言ったら、「キンプリを馬鹿にするな、不思議なプリズムで消すぞ」と怒られた。本当に地方のオタクに良いことはない。そして、オタクはどこ住みでも怖い。

○1キロ先のにぎりめしと、ガンジス川のまんじゅう

それでも無理やり、地方でオタクをやることの利点を挙げるとすれば「諦めがつきやすい」という点だと思う。

いくら都心住みでも、行きたいイベントに全て行き、買いたいものを根こそぎ買えるわけではないだろう。やはり時間的、経済的理由で断念せざる得ない場合もあると思う。その場合、行ける距離であればあるほど諦めがつかないものである。

例えば、1キロ先の路上に握り飯が落ちていると聞けば、ほとんどの人が拾いに行って食うと思う。
しかしインドのガンジス川にまんじゅうが浮いていると聞いたら、ちょっとは考えるが「さすがに無理だ」と思うだろう。地方のオタクにとって、都会のイベント事は「ガンジス川のまんじゅう」のようなものであり、最初から食うことを諦める姿勢をとる。たまに一念発起して拾いに行くぐらいのものだ。

逆に、都会のオタクにとって、あらゆる都会のイベント事は「拾える距離にある握り飯」

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