モバイルで一歩リードするためのデジタルマーケティング戦略とは?(前編)

モバイルデバイス、中でもスマートフォンやタブレットの普及は、マーケターにノートPCを持ち歩く個人に対して、Webとは異なるエンゲージメントの機会をもたらそうとしている。前編では、B2C企業に向け、モバイルテクノロジーをマーケティングに取り入れていく際に重要なモバイルエンゲージメントについて考えてみたい。
○モバイルテクノロジーの価値
モバイルテクノロジーが、マーケティングをはじめとする企業の戦略において重視されるようになった背景には、スマートフォンやタブレットの普及率の高まりがある。
情報通信ネットワーク産業協会(CIAJ)の調べによれば、2015年度は中高年層を含む幅広い層でスマートフォン利用者が増加したという。総務省が2014年度に実施した「ICTの進化がもたらす社会へのインパクトに関する調査研究」においては、海外と比べて日本ではフィーチャーフォンの保有率が3割弱残るという傾向の相違を示していた。だが、スマートフォンの利用率が7割を超え、さまざまな世代に浸透したことを踏まえると、国内でも個人のライフスタイル変化に向けた素地が整ったと考えることができるだろう。
○マーケターにとってのモバイルとは?
このように、スマートフォンの普及はマーケターにとって見逃せないものになってきているが、マーケターにとって重要なことは、デバイスそのものではなく、むしろデバイスユーザーの行動と行動背景を理解し、エンゲージメント獲得と維持の手段にすることである。